クローバーナイト
「育児」がテーマの辻村さん作品。
私自身が独身のため、子どもを持つ親の目線で書かれたお話はとても興味深かったです。
今作は主人公が男性(父親)なのがまた良いです。
公認会計士として働く2児の父親・鶴峰裕(ゆう)は、いわゆるイクメン。
起業した妻・志保に比べて時間の都合がつきやすいことから、彼が2人の子どもの送り迎えをすることもしばしば。
同じ保育園のママ友たちと交流する中で、裕は保活やお受験などの驚くべき現状を知ることになります。
最後まで読んで、「裕みたいな旦那が欲しい!」と思った私・・・笑
育児に協力的だし、とにかく家族思いで素敵だなあと思いました。
特に最後の章、下の子どもの言葉が遅いことで、実母に追い詰められた妻を守る裕の姿がとても頼もしいです。
自分や身近に小さい子どもを持つ人がいないので、都内で保育園に入ることの大変さや、お受験事情はこの作品で初めて知りました。
かなり極端な手段だけど、保育園に入りやすくするために離婚する、という話は主人公の裕同様に私も本当にびっくりしました。
辻村さんの作品は今まで「かがみの孤城」と「東京會舘と私」を読みましたが、話のジャンルが違っても、どれも丁寧に描かれているなあという印象です。
作品に安定感があって、人気作家と言われているのも納得です。
他の作品も合間合間に読んでいきたいです。