本が好き。

とりわけ、お仕事小説が好きです。

そして、バトンは渡された

 

そして、バトンは渡された (文春文庫)

そして、バトンは渡された (文春文庫)

 

 

 2019年本屋大賞受賞作。

本屋さんに単行本がたくさん並べられていて、前から気になっていた作品です。

最近ふらりと寄った本屋さんで文庫本になっているのを見つけて、即購入。

 

瀬尾さんの作品は、「強運の持ち主」を読んで以来です。

他の作品は読んだことがないのですが、ほのぼのと、心にじんわりくるような作品を書かれる方という印象です。

 

 

高校生になるまでに何度も家庭環境が変わった森宮優子、17歳。

母親は2人、父親は3人。苗字は森宮になる前に3回変わっています。

さぞ辛いことや苦しいことが沢山あったのだろうと、周囲は想像してしまいますが、優子自身は「不幸なことは何も無い」と心から思っているようです。

というのも、出会ってきたどの親も、本当に優子のことを大切に思っていたから。

大人の都合で本人にその気がなくとも、"バトン"となり、血の繋がらない親の間を行き渡ってきた優子の次の行く先は・・・。

 

 

作中で、優子の担任の先生が「あなたのように、たくさんの親に愛されている人はなかなかいない」と優子に伝えていましたが、私もそう思います。

実際の連れ子って、ニュースでもよくあるけれど、不遇な立場になることが多いんじゃないかな。

 

個人的に驚いたのが、中学からピアノを始めた優子が、習い始めて半年で中学の合奏用伴奏くらいはなんなく弾けるようになっていた、ということ。

そしてその後、高校の合唱コンクールでも自然と伴奏者に任命されるほどの実力があるということ。

作中で、驚きを伴って「うそでしょう。」という発言が多く出てくるんですけど、まさに「うそでしょう。」とこの件で思いました。

私、小1から中1までピアノ習ってて中学の合唱伴奏はやったけど、高校のは難しくて無理だった・・・。他に上手い子いたし。

 

普段、高校生が主人公の作品をあまり読まないので、新鮮に感じると同時に、自分の高校時代のことが思い出されて少し懐かしく感じました。

30年生きてきた中で、高校時代が一番充実してたなぁ・・・。

 

 

暑い夏が終わって、最近はだいぶ涼しくなってきました。

年中読書はしているけど、「読書の秋」って響きがとても好きです。

秋もたくさん本読むぞー!