本が好き。

とりわけ、お仕事小説が好きです。

鴨川食堂 はんなり

 

鴨川食堂はんなり (小学館文庫)

鴨川食堂はんなり (小学館文庫)

  • 作者:壽, 柏井
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 文庫
 

 鴨川食堂シリーズ第5弾。

投稿はしてませんでしたが、気まぐれに追っていた作品です。

ふと、「はんなり」とは・・・?と気になったので調べてみたら、

「上品で華やかなさま。ぱっと明るいさま」とありました。

なるほど~。

 

 

第1弾はこちら↓

 

navyblue30.hateblo.jp

 

今回の第5弾まで全部読んできましたが、個人的にこれまでのシリーズで一番、依頼人のキャラが立っていたように感じました。

 

インスタ映えを気にして、とにかく食べ物の写真を撮る女性。

両親にも妻子にも先立たれた孤独な男性。

69歳で新たな恋に目覚めた女性。

 

 

今回で一番好きな話は「親子丼」ですね。

上記の、インスタ映えの女性が依頼人の話です。

京都旅行中、彼氏に連れられ、いわゆる「名店」と呼ばれるような店ではなく、通りすがりの普通の食堂で親子丼を食べたこの女性。

でも、名店にこだわる彼女は、この食堂や親子丼に関心を示さず、後に彼氏とも別れることに。

後になって、彼女は元彼がなぜあの店に自分を連れて行ったのか疑問に思い、鴨川食堂に足を運ぶことになります。

 

この話で印象的だったのが、店主・流の

「特別な店と違うてふつうの店で食べて美味しいのが、京都という街です」

という言葉。

 

私もそうですが、旅行の計画を立てるときはネットでお店の評判を見て、行くところを決めがちです。

流はそういうのは信じず、直感で入るお店を選ぶそう。

「ありきたりなお店だけど、美味しいものが出てきそうな気がする」

こういう自分の直感を信じていると、依頼人の女性に話していました。

 

情報があふれている現代、意識せずともそれに頼りがちになってしまいます。

周囲の評価を気にするのではなく、自分の感覚を信じられる人になりたいと思いました。

 

 

余談ですが、先週私も京都に行ってきました。

帰ってきた後にこの本を読んで、第1話の季節が今とドンピシャで驚きましたね。

シルバーウィーク前、インバウンドも全然いない京都は本当に最高でした!!